【第41号】時代の大転換に思う小企業の親父の危機感①
今から42年前、1981年3月20日から9月15日まで神戸港に造られた人口島ポートアイランドを会場として、神戸ポートアイランド博覧会(ポートピアʻ81)が開かれました。1,610万人の入場者を集め、純益60億円を記録し、博覧会として大成功を納めました。これが80年代後半の地方博覧会ブームの火付け役となり、神戸市は都市経営のモデルとして『株式会社神戸市』と称されるきっかけとなりました。
ポートピアʻ81では、兵庫県館・神戸館・川鉄地球館神鋼ポートラマ館・サントリーウォーターランド・みどり館・神戸プラネタリウムシアター・ダイエーパビリオン体験劇場・住友館・三菱未来館・アイビーエム遣唐使館・サンヨーソーラリアム・関西電力未来エネルギー館・大阪ガスワンダーランド・UCCコーヒー館芙蓉グループパビリオン・三井グループ館・ソーラー
ピラミッドの松下館・グンゼ・灘神戸生協館・そごうモロゾフ・風月堂・田崎真珠・星電社館・MINAMIガラテ館・専売公社館、その他海外からの参加を合わせ、展示館は32館の出展がありました。また会場では中国からジャイアントパンダ2頭が公開されて人気を集め、隣接地には遊戯施設としてポートピアランドまでオープンしました。『ポートピアʻ81』のキャンペーンソングとしてゴダイゴが歌う『ポートピア』がリリースされ、ゴダイゴは2年連続でNHK紅白歌合戦に出場しています。この時期、まさに神戸が情報発信の中心であり、日本に留まらず、世界から人々が神戸を目指しました。この状況は、友人が展示館のコンパニオンをしていたこともあり、当時大学生の私は華やかで、誇らしく、同時に博覧会は身近なイベントでした。神戸の『プレゼンス』が一番高まった時期であり、山と海が近く夜景を始め素晴らしい眺望、異国情緒、お洒落、華やか。神戸のイメージを全国に植え付けたのも、この頃の『成功した街』のイメージであったと思います。
改めて上記の出展企業も名前を見てみると、その後のバブル景気と崩壊、失われた30年の中で消え去った名前が多いことに気づきます。三和銀行・太陽神戸銀行・ダイエー・サンヨー・そごう・田崎真珠・星電社。また、当時の業界での影響力を下げた企業も多く見受けられます。兵庫県・神戸の地盤沈下を象徴しています。神戸(地域)以外から富(外貨)を稼ぎ、地域内で循環(再分配)する豊かな都市経営から神戸モデルは崩れ去り、このままでは東京一極集中の下請け地域になってしまいます。コロナ後の大転換の今だからこそ、思い切った発想の転換が必要です。官民が力を合わせ、国に任せる所、兵庫県、神戸市が担う所、大企業に活躍してもらう所、地域企業が活躍する所。このあたりの大胆な仕分けが必要なのではと考えています。紙面の都合で以下は次号となります。お付き合い宜しくお願い致します。
2023年7月吉日
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