【第40号】コロナは収束しそうだが…
『コロナが治まると景気は回復する』このような想いが『楽観論』に過ぎない状況です。コロナ禍の影響は長引き、ウクライナ戦争、広範囲な物価高、気候変動など、複合的な要因が重なり深刻化しています。生活様式を始め働き方や学び方、物の売り方や買い方、ビジネスの考え方や仕組みなど世の中が大きく変わりました。もう元に戻ることはないでしょう。中でも人手不足の状態は深刻です。人手不足を感じている企業の割合は、正社員で51%、非正規社員で31%。5か月連続で5割超、3割超の高水準です。個人向けサービス業の代表である『旅館・ホテル』『飲食店』は群を抜いた高い数字となっています。
人手不足の解消策は、先ず『賃上げ』です。2023年賃上げ実施予定の企業は80.6%(ベースアップ・定時昇給を含む)となっています。労働力の定着・確保が大きな理由ですが、『赤字でも賃上げをしないと人材が流出してしまう』という苦痛の選択も聞こえてきます。帝国データバンクによると、2022年の人手不足倒産は140件となり、中でも従業員退職型が4割を超え、人材流出を理由に事業をたたむケースが増えています。
採用の現場では『初任給高騰』が衝撃的です。ユニクロは5万円上昇の30万円。10年以上据え置いたままのメガバンクでも5万円以上の引き上げ。東京都の平均基本給は全国平均より7%高いと言われますが、全国で初任給の高騰が広がっていると思われます。賃上げの波はさらに活発化が予想され、今後も続くと予想される激しい人材獲得競争に向け、企業は大きな岐路に立たされています。
ESPでは、駐車場で働いてもらっている、『パーキングパートナー』に2023年3月の契約更新会で一律時給100円アップを伝え、3月16日から適用しています。神戸でNO.1の駐車場サービスを提供したいと考えていますので、働いている人達の待遇も神戸で1番にしたいとの考えです。また、社員については、4月16日より約6%(ベースアップ・定時昇給含む)の賃上げを行います。2024年採用の初任給は22万円とし、募集を行っています。賃金だけでなく、奨学金の返済支援、住宅支援、車両支援など、可処分所得を増やす制度を整え、ESPならではの労働環境を整備していこうとしています。ESPの挑戦を見守っていただければ幸甚です。
企業の視点から見ると大変な環境変化ですが、働く側、消費者の立場からは労働条件が良くなることですから、厳しさだけではありません。
2023年5月吉日
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