【第29号】津波かさざ波か︕︖
左の数字は何を表しているでしょう︖
実は、2020年の国内の死亡者数です。日本では、昨年、年間約138.5万人が亡くなられました。1ヶ月あたり約11.5万人、1日にすると3,845人が亡くなっていることになります。
ちなみに出生が、約87.3万人ですから、1年で50万人超の人口が減少となりました。
厚生労働省によると、日本における死亡原因は以下の通りです。
死因 | 人数 | |
1 | 悪性新生物(腫瘍) | 37.6万人 |
2 | 心疾患 | 20.7万人 |
3 | 老衰 | 12.1万人 |
4 | 脳血管疾患 | 10.6万人 |
5 | 肺炎 | 9.5万人 |
コロナ禍で揺れた昨年ではありますが、前年より死亡者が約9,000人減少したという嬉しいニュースがあります。昨年の新型コロナウイルス感染者の国内死亡者数は、死亡原因の0.25%に値する3,492人でした。また、高齢化が進む日本では、年間平均約2万人の死亡者が増えていますが、昨年は11年振りに死亡者数が減少したのです。その要因として、新型コロナウイルス感染の対策に伴い、マスク着用、手洗い、手指消毒などが広がり、他の細菌やウィルスが流行しなかった事にあるかと考えられます。欧米では死亡者数が、平年よりも大きく上回る『超過死亡』が生じましたが日本では逆に抑えられたとの評価です。ただ、感染症関連の死亡が減少する程厳しい感染症対策を施しながら、新型コロナウイルス感染の流行は止められていま
せん。まん延防止や緊急事態宣言では、感染スピードを遅らせる効果はあっても、抑えることはできないということです。やはり、ワクチン・薬など、『感染しにくい』『感染しても大丈夫』という医療の力が求められます。
日本で初めての感染者が出てから16ヶ月が経ち、2021年5月現在、感染者は70万人超となりました。この内60万人以上が回復しています。年間累計死亡者数は11,900人です。国内死亡者数が年間138万人以上ですが、その0.6%に満たない死亡者をもたらす感染症に対し、この世の終わりかと思わせるような報道が朝から晩まで全チャンネルで一年中流されてきました。このウィルスに遭遇しすでに一年以上が経過したにもかかわらず、いまだに論調や世間のムードは初めの頃と同じです。COVID-19 の真の姿と、報道の在り方に多くの人が違和感を感じでいます。非常に偏った報道に走りすぎではと危惧します。先日、内閣官房参与を務める高橋洋一氏のツイッターで、日本の新型コロナウィルスの新規感染者数のグラフを示し、『さざ波』と発言し大きな批判が集まり辞任されましたが、各国の新規感染者数のグラフと比較し圧倒的に感染者が少ないデータを冷静に見てみると、さざ波発言もあながち的外れとも言い切れません。
安岡正篤氏の著作で『物の見方の3 原則』を学びました。『目先で見ずに長い目で見る』『一面ではなく物の反面をみる』『枝葉末節を考えないで根本的で考える』この見方を応用するとコロナ禍も随分違った見方ができます。大切なことは未来につながる生産的であるかどうかです。
2021年6月吉日
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