【第26号】『企業変革力』という考え方
新型コロナウィルス感染の拡大が止まりません。東京では3日連続500人を超え、大阪は400人以上、北海道でも7日連続200人以上、全国で1,649人と過去最高を更新し、更に拡大が予想されます。(2020年11月24日現在)
以前、このコラムで 『コロナは、資本主義の根幹である。人と物の動きを止めた』と書きましたが、今後の展開によっては、再度、緊急事態宣言が発出され、あの4月・5月が再現されるかもしれません。大きく揺れ動く外部環境の中で、どう進むべきか。非常に難しい課題ですが、明確なヒントが『2020年版ものづくり白書』の第1部に紹介されています。注目すべき、戦略経営論が提起されているのです。『ダイナミック・ケイパビリティー』というものです。訳語を当てるなら、『企業変革力』になります。
企業の戦略行動や業績を決定しているのは、企業内部にある固有の経営資源であり、自社の強みである固有の資源を利用する能力(ケイパビリティー)こそが企業競争力の源泉であるという指摘をしています。この能力は、通常能力(オーディナリー・ケイタビリティー)と企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティー)の2つに分けられます。
オーディナリー・ケーパビリティー | ダイナミック・ケイパビリティー | |
意味 | 通常能力 | 企業変革力 |
優先事項 | 物事を正しく行うこと | 正しいことを行うこと |
模倣可能性 | 比較的模倣できる | 模倣できない |
結果 | 効率性 | イノベーション |
大胆に換言すれば、通常能力である経営の品質を高め、大きな環境変化には企業変革力を発揮し経営の革新を図ると言えます。詳しい戦略理論は『2020年版ものづくり白書』でチェックしてください。
イーエスプランニングはそもそも、コアコンピタンスとして、①システムを運営する力、②サービスを開発する力を掲げています。正に、オーディナリーとダイナミックに繋がります。
2月末、過去最高決算で前期を締めくくり、新たなステージの扉を開こうと、29期が始まりました。前半期はコロナの影響を受け減収減益となりましたが、この環境を変化適応のチャンスと捉え、ESPの企業変革力を大いに発揮し進化を進めて行きます。DX導入を核に、6つのプロジェクトを立ち上げました。この意欲的な挑戦については、次号でご紹介いたします。ご期待下さい。
2020年12月吉日
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