【第12号】駐車場専用ポスレジ PPOSS(ピーポス)の誕生
仕事を進める上で、常に自戒しながらも『決めつけ』や『思い込み』で誤った認識のもと仕事を進めてしまっていることがあります。例えば、私たちも駐車場の運営を始めた頃は、駐車場には『不特定多数の方』が『様々な場所』から『多様な目的』のために利用していると思い込んでいました。まずは実態を知るために『利用者アンケート』を実施したところ、次のような結果となりました。
①なぜこの駐車場を利用したのか︖
→過去に利用したことがある
②月に何回くらい利用しますか︖
→何度も利用する(ほぼ半数以上の人が回答)
③駐車後どこに行きますか︖
→駐車場から300M 以内の場所(95%の人が回答)
私たちの認識とは随分違った結果となりました。引き続きお客様の声を聞かせていただくためにも、定期的にアンケートを
実施し、定点観測することにしています。また、お客様の利用状況を調べるためにレジのデータを集計しました。駐車場の料金は専用のレジで精算を行っています。車にはID としてこれ以上ないナンバーがついていますので、このナンバーを利用しています。レジにナンバーと駐車区画を打ち込むと、駐車時間を基に料金が算出されます。どの車がどのように駐車場を利用しているのかを調べるために、まずは日計レポートを毎日回収し、1か月分を集計した月計レポートを作成しました。月計レポートではナンバー毎の利用回数、利用金額を抽出することで、驚くべき事実が判明しました。
①上位10 台の利用金額
→全売上の10%
②最高利用回数
→25 回
③最高利用金額
→月極賃料を上回る
この結果は私たちも予想外でした。アンケートや集計の結果を踏まえ、リアルな現状を分析したものを基にサービスを開発しなければ『お客様に選ばれる駐車場』にはならない、との思いを強くしました。しかし、月計レポートを作成するプロセスは各店舗への回収、データの入力など骨が折れすぎます。そこで、駐車場のスタッフが入力したデータを活かせる、ネットワーク型の一気通貫システムの必要性を感じました。メーカーと相談し、開発を試みましたが莫大な費用となるため自社でシステムを作ることになりました。
このような経緯で、知り合ったシステム会社と手探りで作り上げたのが、駐車場専用ポスレジ「PPOSS」です。これは画期的なレジとなりました。
①駐車場の区画の稼働状況をリアルタイムで把握できる
②ナンバー毎の利用回数、利用金額を把握できる
③ポイント制度の導入
④店舗スタッフのタイムカード機能
「PPOSS」の機能とそこから生まれるサービスのおかげで2つの特許を取得、さらに
・経済産業省 IT 経営百選最優秀賞
・中小企業庁 地域貢献賞
の受賞につながりました。
2018年6月吉日
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