【第11号】とめ放題の誕生
株式会社イーエスプランニング(以降ESPと表記)のコアコンピタンスは、
①サービスの開発力
②経営を改善するシステム
の運営力です。
この2点で他社を上回りたいと強く思っています。
特に神戸において、①、②で劣ってしまうとESPの存在意義がなくなってしまいます。
自社にしか出来ないサービスを高いレベルで提供できると強い力になります。ですので、独自のサービス開発には常に力を入れ、取組んできました。過去26年間で最高のサービスは『1日とめ放題』だと思います。
平成9年、JR三ノ宮駅の南東に位置する『ガレージアサヒ』では震災の影響がまだ払拭できず、駐車場売上が低迷していました。
「何とかしよう」と、売上改善ミーティングを重ねた結果、売上・パレットの稼働状況などを分析する事で、時間貸し利用者の平均駐車場時間が105分である事、相当数のパレットが未稼働である事、などが明らかになってきました。
駐車場において売上は、単価×台数の掛算で決まります。
話の焦点は、『単価を下げ台数を伸ばす』、もしくは『台数が下がっても単価を上げる』ということになりました。これでは面白くない。「何かほかに案はないのか?」との問いに出てきたのが「1日1,000円でやってみよう!」というアイデアです。観光地とか海のイベント等では見かけた料金設定を、市街地で始めた日本第1号と自負しています。
勝算がどれほどあったかと問われると、「正直やってみなければ分からない。ただ、何もしないよりはるかにいい」との思いでしたが、なんとこの料金設定が大当たり!最大の効果は、105分の時間貸しのお客様はそのままに、更に今までなかった長時間駐車(平均6時間)のお客様が増加し、その分の売上が増加したことです。『20分100円で貸せるのに安売りしてる』との声が聞こえましたが、長時間駐車はほとんど来ないことをデータから読み取っていました。
このサービスをESP全店で採用した結果、少なくとも売上が120%、多いところでは売上が倍増となりました。数年後に周辺が、5年後には行政が『社会実験』という名目で、『1日とめ放題』を導入し、駐車場料金のスタンダードとなりました。
残念ながら特許の対象にはならず、知的所有権としては守られませんでしたが、業界スタンダードを生み出せたことはESPの誇りです。
その後も 常に新サービスを生み出してきました。また次号で紹介いたします。
2018年4月吉日
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